ギリシャの役所が大嫌いな件
私が大使館でもらったのは、ギリシャ語で書かれた「出生証明書」。
日本から送ってくれた戸籍抄本に基づいて、大使館が作成してくれます(9ユーロ)。
私がパートナーシップ締結した時に市役所に提出しないといけなくて、でもその時は知らなかった上に時間もなかったので、
「近々必ず持ってきてね」
の約束のもと、パートナーシップが受理されたのでした(いいんかそんなんで?って感じですが)。
なのでその約束を果たすべく、
母に市役所に出向いてもらい、慣れないエアメールを送ってもらって手に入れ、
アテネの大使館に出向き漸くゲットしたのです。
さて今回、それをこちらの市役所に持って行くの巻。
「一緒に行こうね」と言ってて、他にお義父さんと用事のあったラオくんは先に出かけ、終わったら私も合流する、というプランでした。
もう準備ができそう!ってタイミングでラオくんから、
「今行ってきたよ、でもダメだったよ。」
と電話。
What???
疑問は2つ。
1,なんでもう行ったんだ
2,なんでダメだったんだ
1はまぁいい。
用事の近くだからついでに寄ってくれたんだろう。
大問題は、2。
市役所の奴(もはや奴呼ばわり)曰く、
「はじめは大文字、あとは小文字じゃないとダメ。
アクセントマークも、(パートナーシップの書類と)同じじゃないとダメ。」
は?
は????( ゚д゚ )
そんなん知らんやん???笑
大使館発行の、列記とした正式な書類なんですけども???
「ちょ、納得いかねー」
ってなり、City centralでラオくんと落ち合う。
私は、大使館に電話をかけ事情を話した。
大使館の人、びっくり。
「そんな話、聞いたことないです・・
皆さんに同じように同じフォーマットでお出ししていて、今までそんなトラブルあったことがないです・・
多分、市役所の対応する人によるんじゃないでしょうか・・」
・・・くっそ
オレンジマダムめーーーーーーーー!!!!!
(パートナーシップ締結した時の記事参照)
(O_O)
「・・ですよね?
ありえないですよね!?
公的文書ですもんね!!!!?」
激しく頷く私。
その隣で、どうしようもない顔してるラオくん(想像にお任せします)。
ギリシャ人のラオくんは知ってるんです。
ギリシャの役所で何をどう言っても無駄だってことを。
前回も書きましたが、こちらは市民よりも市役所職員の方が100000倍の権力を持ってる。
キレればキレるほど、何も通らなくなる。
日本は逆ですよね??
悪い言い方すれば「言ったもん勝ち」みたいな。
そんなの、この国には存在しない、
はい、それはわかった。
でも、私は断じて納得いかない。
し、市役所の職員に伝える必要があると思った。
「大使館発行の公的文書はこのフォーマットのみ。
これ以外に作成する方法はない。
この場合はどうなる?」
ってことを。
私だけじゃなく、もし将来日本人がここで同じ目に遭ったら嫌だろうな、とかさ。
大使館の人も一緒にヒートアップしてくれて、
「もしよかったら、私共から職員さんにギリシャ語で説明しますよ!」
なんて、とても親切で心強いお言葉を頂いた。
最強やん!!
市役所すぐそこやし、行って説明するしかないやん!!!
おっしゃ!!!!!!
・・・ってなってる私の横で、
「絶対に二度と行かない、行きたくない。」
と、イライラしてるラオくん。
はぁん??
( ゚д゚ )
なんで??
一択でしょ??
てかなんでイライラしてんの??
私、全く理解のできない状況に。
ラオくんの言い分としては、
「今日すでに出向いて”提出する”って約束は果たした。
それに、大使館が何と言おうと市役所の対応は絶対に変わらないから行くだけ無駄。」
はぁぁぁぁぁぁぁーーーー?????
んじゃあれか?
彼らの道理の通らん意見に同意するってことか??
このまま黙って??
今、大使館直々に電話で説明してくれるとまで言ってくれてるのに、それ無駄にする気か??
私たちのやってることは1点の曇りもなく正しいのに、それを提示しないで折れるなんてどんな神経してんの??
日本→アテネまで行って手に入れたこの書類、そんなんで無駄にしてそれでいいの??
そもそも、この私の悔しさが治まらない!!!
すぐそこなんだし、行くだけ行こや!!!!!
この街のど真ん中で、私は盛大に想いを伝えた。
想いが身体にリンクして、コメディアン並みのオーバーリアクションになった。
そして、すれ違う人がみんな振り向くほど大きな声で伝えた。
それくらい、納得がいかなかった。
大使館の人は日本語もギリシャ語もオッケーなので、途中で電話を代わりラオくんに説明してもらった。
頑なに行くのを拒むラオくん VS 行かずにいられるかの私
先に彼だけで市役所に出向いたのは、きっとこうなることをわかっていたからだと思う。
ラオくんは「無理だったよ」って言えば私も納得すると思ったんだろう。
ふっ、甘いぜ。
そんな理不尽な理由で引き下がれるもんか!!
思えば、こんな感じで私は世界中のタクシードライバーや理不尽オーナーたちに想いを伝えてきた(しょーもない喧嘩いっぱいしたわ笑)。
まず、言ってみる。
それでも無理なら、納得するかもしれない。
何もせず聞き分けよくするなんて、絶対に無理。
そんなの、小さい頃の私で卒業したわ!!!!!
ラオくんは結構そういうとこあります。
お会計が間違って(多く払って)ても何も言わない。
値切りもしない。
私が犬に噛まれたときも、犬のオーナーに何も言わなかった。
私から見ると、とってもかっこつけてるポーカーフェイスに見える。
もちろん、それがいい時もたくさんある。
私だって、普段はスマートに朗らかに心地良く人付き合いをするのが好き。
でもね、それじゃどーにもならない時っていっぱいあるんだよ。
ラオくんは「結果が変わらないから」しようとしないけど、
それじゃ、私の悔しい気持ちはどこへ行くの?
やってもないのに「はい」って従えばいいの?
私の気持ちがないがしろにされてるって気がして、すごく嫌だった。
「そんなに行きたいならNatsumiが行ってきたらいい、とにかく自分は絶対行きたくない」
と彼に言われて更に腹がたった。
「私、ギリシャ語話せないんだわ!!!!!」
嗚呼、これが日本なら楽勝なのに。
何のためらいもなく想いをそのまま伝えられるのに。
アーメン。
一向に引き下がらない両者の戦いは、結局私が勝った。
ラオくんが折れて、市役所に向かうことになった。
コロナ禍の日本より激しく私とソーシャルディスタンスを取り、
”ずんずんずんずん・・”って効果音がぴったりな歩き方でかなり先を歩く彼。
めっちゃ怒ってるんだろうけど、
私的にはどうして怒るのか、未だに不明だった。
行って、大使館の件を伝えたら済むのに!!
それで無理なら知らんやん!ってなるやん。
市役所に入った瞬間。
コーヒー片手に持って外に出ようとしてるオレンジマダムとばったり会った。
頭から足先までを舐め回すように見るこいつ・・
ほんとに不快♡
ラオくんが諸々の事情を説明してくれた。
しかしマダムの表情は変わらず、ラオくんも「ですよね」的な感じ。
何故かラオくんはお礼を言い、マダムも立ち去ろうとした瞬間。
「なんで??」
割って入った私。
大使館の文書がダメなら、じゃあどうしたらこれがクリアできるの?
国が認めているパートナーシップ制度、全員にその権利があるはずでしょ?
これで引き下がるってことは、平等にある権利を放棄するってことになるよね?
こんな当たり前のことを、わざわざ出向いて嫌いな奴に二回もあって説明しても断固拒否なんて、まかり通らなくない??
食い気味な私に、ラオくんを介して説明してきた。
「これは大文字でしょ?アクセントマークが・・」
はい、そうですよね、聞いてます。
私が知りたいのは、大使館はこれしか発行してないのでその先どうしたらいいんすか?ってことよおわかり??
↑不機嫌なラオくんが翻訳ストップしてるので、勿論これは伝わってない。
マダムは再び私を舐め回しながら、
「あなたはいつも笑顔ね、きっと日本はここよりも落ち着いていて朗らかな国なのね。
これ以上説明するのを辞めるのをオススメするわ、とにかく法律でそう決まってるから、無理なものは無理なのよ。」
嘘みたいな、ほんとの話。
親切な大使館の力を借りる気力もなくなるほど、
「もういいや」
ってなった。
市役所を後にし(最後までラオくんはお礼を言ってたけど、私は絶対に言ってやらなかった)、大使館にお礼の電話をかけた。
大使館の人は私に味方してくれたし、同情も心配もしてくれた。
それどころか、「わざわざありがとうございます」って逆にお礼を言ってくれた。
どっちが普通とかそうじゃないかとかじゃなく、
この国の人がこんな理不尽な市役所のシステムを飲んで暮らしていることにぞっとした。
あ、この件に関して言うと、まぁ、もういいんです。
将来(正式に)婚姻届を出すときにはこの制度は無効になるので、そうなれば照らし合わせる書類が変わるので大丈夫と思います。
日本で出せばいいんだし、とか、方法はありますし。
市役所に出向くミッションをクリアした私はスッキリしましたが・・・
無性に不機嫌なラオくん。
私、人の機嫌をとってほーほーするタイプじゃないし、自分の機嫌は自分でとれって思ってる。
喧嘩も、私の中では当たり前のこと。
意見がぶつかるなんて当たり前。
でもさ、
今回のことに関しては、彼に疑問だらけ。
この後行ったカフェでラオくんに
「自分は行きたくないって言ったのに、Natsumiは自分の気分さえよければそれでいいんだね!!
行っても無駄って言ったし、俺が行って無理って言っても信じなかったよね!!
Natsumiの付き合い方は、いつもNatsumi worldだ、二人じゃなく、1人だ!!」
って言われまして。
再びゴングが鳴り響く。
「信じてるよ、いつだって!!
でも私は、自分のこの目で見たいし、自分の心で納得したい!
市役所に行きたいって言うだけでまさかこんなに怒るなんて思ってなかった!!
あなたはいつだって、私"以外"の人たちの気持ちを優先する、いい子ちゃんぶる。
私サイドについてくれないパートナーなんて初めてだから私が一番びっくりしてるわ!!!!!」
以下省略しますがとにかく!!
このまま気分の悪い時間は続き、ラオくんはランチを一切食べない横で私はもぐもぐして、お義母さんは様子がおかしい彼のことを「どうしたの?」って心配そうに私に聞いてくるけどギリシャ語で説明できるわけもないし、
もーもーもーーーーーーー!!!!
の、一日でした!!!!!
嗚呼・・・乱雑な文章になってしまってごめんなさい&こんな長文にお付き合いいただきありがとうございます。泣
この数時間後、夜美味しいピッツァを食べて「元気?」って聞いたら治ってました。
国際恋愛、国際結婚、難しいことがたくさんあって、必要以上に疲れます。笑
でも、私はいつだって私なのでご安心を!!!
一緒に成長できたら幸せですが、もともとの本質も尊重し合えたら最高と思います。